壁天井はシナ合板貼り仕上げ
「こがねの家」の内部は仕上げ工程へと進みます。1階の壁・天井はシナ合板を貼りとし、最終工程でオイル仕上げをして仕上げます。シナ合板貼りシナは、薄い肌色で端正な質感が特徴。木肌も木目などの癖が弱く、こうして壁と天井の全面に貼っても山小屋のようの木のうるささが出ないところが気に入っています。私自身、木質系の仕上げは好きなのですが、木質感が強くうるさい感じ(これを私は勝手に「木々(もくもく)しい」と呼ん...
畳コーナー|ダイニング+掘りごたつ+床下収納の機能を盛り込む
「こがねの家」では、リビングの脇にフロアレベルから1段上がった畳コーナーを設けています。そこは食事を取るダイニングとしての機能、そしてゴロンと畳に横になれるくつろぎのスペースとして計画します。そして、畳コーナーには小ぶりな床面積で不足となりがちな収納スペースも同時に確保する工夫を組み込みます。収納スペースとしては、基礎断熱であることを活かした床下空間までの収納スペースと日常品の出し入れに便利な引き...
建具枠の加工~取付け|仕上げ品質の名脇役
外部の窓の室内側や室内建具の回りには”建具枠”と呼ばれる木枠が取り付きます。「こがねの家」ではその建具枠は木を削って製作します。勿論、室内の扉類そのものも建具屋で製作します。建具や建具枠は今ではメーカー既成品が流通してカタログから選ぶだけの簡単商品化が進んでいますが、大きく以下の3つの理由から使いません。既成品を使わない理由・我々で造る室内の仕上げ(壁や床、造作、建具類)との調和が取れない。・メーカ...
天井防湿気密~天井断熱(ブローイング)
「こがねの家」の断熱気密層は基礎~壁~天井とし、ここを境界に断熱と気密的に内外を区画しています。今回は天井の気密処理と断熱工事をプロセスを追って解説。天井気密工事 | 防湿気密シート張り天井には天井下地を組んだ後に気密層を作るために防湿気密シートを天井全面に張っていきます。銀色に見えるのが防湿気密シートで、黒い線状に見えるのが防湿気密シートの継ぎ目部分を処理する気密テープです。施工上のポイントは通常...
無垢フロア貼り|大工の根気と選別でひと手間かける
住宅の仕上げ工程で一番最初にくるのがフロア貼り。「こがねの家」では1、2階で別々のフローリングを使います。1階は無垢のカバ桜、2階は無垢のパイン。無垢パインフロア貼りパイン材は明るい木目が特徴で、どことなく欧州、ヨーロピアンなイメージで人気がある樹種です。価格帯も無節のものを選ばなければ比較的手ごろなところがよいところ。無垢のフロアは工場で合理的に量産製造される合板フロアとよく比較されますが、肌(足)...
2年点検|目立った不具合なく完了
「百津の家」の2年点検でお邪魔してきました。こちらも先日の「稲荷の家Ⅰ」と同じく、忙しさを理由に3ヶ月遅れの訪問です。お待たせいたしました(汗)2年点検|定期点検外壁回りは極めて健全。ガルバは雨に流されていると本当に持ちがいい。近くで見ても新品同様。逆に唯一屋根が掛かっている玄関回りで大気中のほこりが付着、汚れが目に付き始めるのもこの時期。大気中には中国大陸から飛んでくる汚染物質などがあって、外壁に付...
交換可能なバルコニーで長期メンテ対応|片持ちバルコニー金物
「こがねの家」には2階南面には大きなバルコニーが設けられます。(こちらの建物パースを見ていただくとよく分かります)木造でバルコニーを造る場合は、躯体の梁を持ちだすように掛け渡して下地を作り、防水のためにFRP防水などを施して躯体を水から守るように造るのが一般的ですが、今回は違った方法で更に一工夫しています。交換可能なバルコニーで長期メンテ対応|片持ちバルコニー金物「こがねの家」は長期優良住宅の認定を受...
2年点検で初歩的ミス発覚|稲荷の家Ⅰ
忙しさを理由に遅れてました定期点検。先日2ヶ月遅れで「稲荷の家Ⅰ」の定期点検を行いました。大変お待たせいたしました(汗)外部外部廻りは、外壁のガルバリウム鋼板、格子などの木部塗装も極めて良好。木部のオスモ塗装も深い軒に守られていることもあり、目立った塗装の流れ落ちも目に付きません。竣工当初よりもわずかに色つやが引いた感じで落ち着いた色になってきました。建具調整2間ある和室のうち、障子が1枚だけわずかに...
善三郎|かやぶき屋根の手打ち蕎麦処
お客さまから食事に招待していただきました。私が大好きな蕎麦です!私は蕎麦は冬でも決まってざる。そして締めは蕎麦湯ほっとする。最後に黙って蕎麦湯が出てこないと不信感を覚えるほどの蕎麦好きです(笑)天ざる蕎麦| 善三郎場所はJR信越本線荻川駅の近くですが、住宅地の奥の細道の先の先・・なかなかわかりづらい。私は連れて行っていただきましたので大丈夫ですが、初めての人は迷うでしょう(笑)記事の最後に住所と地図...
窓上には小庇|過ごしやすさと耐久性アップ
「こがねの家」の屋根の軒の出は、夏と冬の太陽高度の違いからくる日射の入射角を考慮し、3尺(91cm)としています。こうすることで、南に大きな掃き出しの窓があっても夏は日を遮り、冬は日を入れるという丁度いいバランスになります。軒が出ていますので日射だけに関わらず、急な雨でも窓を開けていても安心です。こうした軒下で包み込まれるように守られている窓は安心ですが、それ以外の場所はどうでしょうか?窓上には小庇 |...
屋根は軽く見える方が美しい|屋根の見せ方
「住宅はどう造ったら綺麗に見えるか?」そんなことは誰に頼まれることなく、もちろんお客さまから強要されるわけでもなく(苦笑)、日々静かに考えを巡らせているわけです。言い切れるのは、設計的に意匠面を何も考えずに作ることは可能です。ですが、それは完成した住宅が建築的に端正かどうか、綺麗に見えるか、整ったプロポーションかどうかを保証するものではありません。(何も考えず造った方が施工的に楽なのは言うまでもあ...
開口部の気密と防水処理
開口部は、住宅の雨漏り(雨水の侵入)事故の統計からも事故発生確立の高い部分なので、しっかりとした下地処理が必要です。今回は「こがねの家」での開口部廻りの防水処理と、合わせて開口部に関連して窓廻りの気密処理について解説。先張り透湿防水シート絶対雨漏りをしない住宅を作るには潜水艦のような継ぎ目のない外皮としなければいけません。ただし、現実的にはそのようなことは難しく、水が回ることを前提にした下地処理を...
意匠+性能+コストの3拍子|樹脂サッシAPW330
「こがねの家」の窓(サッシ)には規格量産型のサッシメーカーの窓を使いますが、意匠と性能、コストを踏まえて、今選択できる最良のものをチョイスしています。樹脂サッシ | YKK APW330YKK APの窓「APW330」を採用しました。APW330は樹脂+Low-E複層ガラスが標準ですが、プラスして複層ガラスの間に熱伝導率が低いアルゴンガスを封入し断熱性を更にアップしています。APW330についての解説は過去記事のこちらを参照 ・ 2011.03....