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古家から学ぶ(1) - 断熱材なしが当たり前? -

今住んでる家が寒くて仕方がない、足元が冷える、暖房が効かないなどと感じている方はいるでしょうか?
「建物が古いから仕方ないよ」と思ってはいませんか?

ある意味正解で”仕方のないこと”なのかもしれません。(←冒頭からいきなりぶっきら棒)

今の時代、住宅を新しく建てて断熱材が入ってないというのは土壁造りなどの一部の伝統構法を除けば皆無でしょう。
その性能や施工方法に違いはあるにしてもグラスウールプラスチック系断熱材など、なんらかの断熱材が壁の中や床下に施工されているはずです。



話の冒頭でなぜこんな話をしたかというと、今は当り前であることは一昔前では当り前でなかったという話。

こちらはとあるリノベーションの現場の工事中の写真です。
建物を改修するために外壁や室内を壊しているところですが・・・断熱材、ありますか?はい、そういうものはございません(汗)

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外壁を外すと、壁の中はガランドウ。向こう側に見える穴が開いた板は室内仕上げ下地のラスボード。
つまり壁の断面構成は、[室内仕上げ]-[空洞]-[外壁]という層構成。。

更にこの建物は古い木造住宅が持つ典型的な熱的弱点があります。それは床下空間と壁の中が繋がっていて、暖房すると壁の中の空気が暖まってどんどん天井裏に抜けていき、抜けた空気に引っ張られるようにして床下から常に冷たい空気が供給されるという負のサイクル(大汗)
これではどんなに暖房しても壁は冷たく、場合にっては押し入れでは結露。灯油は消費し財布の中身も寒く・・・と、こちらも負のサイクル。。




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当然天井にも断熱材はなく、まさしく無断熱住宅。ここまでくるとある意味いさぎがいい?
窓も一部は単板ガラスの木製建具で当時のままという場所もあり、時代を感じます。。。

もっとも、こちらの物件はおそらく築40年またはそれ以上は過ぎている住宅。その当時はまだ住宅に断熱材を使うということや、住まい手も施工者も共に断熱材が必要なのだという認識が薄い時代でした。




壁と床の取り合い部分に至ってはご覧のとおりのざっくりとした仕事で向こう側が見える←褒め言葉ではない(汗)

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他にも見ればあちこち隙間だらけ。
昔の住宅を気密測定(建物の隙間の大小を測る)するとC値で10cm2/m2以上、機械の自動測定では建物内外で差圧が出ず手動でなんとか測定する。といったことがよくわかります。

今は断熱材をしっかり隙間なく入れ、隙間を極力無くし少ないエネルギーで快適に過ごす”高気密・高断熱”という工法があります。またそこまでは実現できなかったとしても断熱材は入っていますし、家の造り方も少しづつ変化してきて隙間が少ない造り方になっています。

今回例に出した住宅は言ってみれば”低気密、無断熱”というところでしょうか。。。

「昔は断熱材が無いのは当り前。」そんな時代がありましたがそれは過去の話。

車を例にすると、昔の車の窓は自動で開きませんでした。手でレバーをグルグル回して開けていましたが当時はそれが当たり前。それが今どうでしょう、新車の窓で手回しというのはまず見ません。
パワーウインドウが当り前になった今、逆に新車で手回しウインドウなんて考えられない(笑)



一昔前の当り前は時代の変化と我々の価値観の変化で、いつの日からか当り前ではなくなっているのです。
人間は楽をする動物と考えると悲観的ですが、常により良く、今以上にとステージを上げていきます。それは人類の進化そのもの。

無断熱で寒さをしのぐ時代から、今は断熱化で身を包み寒さを克服する時代へとシフトしています。そしてこれからも人類の進化と共に住宅に求める価値(性能や品質)が進化していく事は間違いありません。

今回は断熱材を一つの例としましたが、わずか数世代の中でこうも住宅に対する価値基準が変わるのかと思うと考えさせられます。

(関連エントリとして「古家から学ぶ(2) - 耐震設計未熟の時代 -」へ続く)

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FAX : 0250-62-7977
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4 Comments

相模 (オガスタ新潟)  

お~~~リノベ中ですか。いばらの森に足を踏み入れましたねw社会的意義の多い仕事ですが、なかなか根付きませんね。社会の意識は我々の意識の5~10年遅れです。
将来のために実績をつくっておきたいですね。
リノベのお客さん でてきたら紹介してもいいでしょうか? そちらにw

2010/03/05 (Fri) 08:29 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

相模さん

今は新築で手いっぱいのご様子(笑)
リフォームフェアのアフターがこちらとか・・それは面白いw
でも個人的やりがいは新築だったり・・

リフォーム専業でなく、どちらかと言えば新築メインの我々としてもリノベ市場の拡大を考えるとほおってはいられないと思います。
ただ痛いのは、うちみたいな小規模工務店はどちらもマックスで動けないということ。こちらを立てればあちらが立たないと。そうか人増やせばいいのか(爆)

2010/03/05 (Fri) 16:10 | EDIT | REPLY |   

相模 (オガスタ新潟)  

人的投資。
うちもちょっと忙しくなったから一瞬考えましたが、
お客さんにたらふく待たせてでも 少数精鋭でやろうということになりました。
量をおうと 評価が下がる。
評判だけで食っていける確信。
少ないことの優位性、独自のブランディング価値。
工務店の生き残り戦略です。
小さく特化した生き物になります。

2010/03/06 (Sat) 08:51 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

相模さん

量産を目指すと規格化と工業製品化が進みそれが建築の自由を奪う。結果として画一的建築となり今の日本の景観を作る。
まさに負のスパイラル。何の意味も持たないものを作っていることになります。

一定のクォリティを維持するには自分の目の届く範囲で仕事をするしかないですね。特に手仕事でクオリティを出していく我々のような仕事は尚更です。

2010/03/07 (Sun) 14:08 | EDIT | REPLY |   

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