次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(4)- 目標省エネレベル -
前回(3)からの続きで今回が完結編。 ( 初めての方は最初のこちらから→(1) )
ここだけ見ると同じ記事のように見えますが違います(汗)毎度毎度のように省エネグレードの表を示します。。。
このシリーズ最後は、まとめとの意味で今の省エネ基準の実力値を踏まえたうえでの目標にしたい省エネレベルについて書いていきます。
現時点でAグレードは日本の省エネ基準の最高峰ですが、決して必要十分な断熱基準ではないということです。この辺は中々伝えづらい部分ですが、Aグレードの次世代省エネ基準をクリアしたからと言って家中ホテルのような快適性とエコカー並みの低燃費を両立できるわけではありません。
省エネ基準には地域別に基準値※1があり、決まった省エネ基準値(=省エネ度)をクリアすればよしとされています。しかしAグレードギリギリの住宅は、シミュレーションすると分かりますが従来よりは省エネにはなるものの、驚くほどのハイスペックな省エネレベルにはなりません。
省エネ住宅を作り慣れている私自信が思う事ですが、基準は最低の最低として建築費の総予算をにらみながら出来る限り省エネ度アップを目指すべきです。
目指すは次世代省エネ基準よりワンランク上のAA(ダブルエー)グレード。←勝手に命名
最低でも基準値の2割増しの性能値は欲しいところです。(理想は基準値の5割増し)
今後の省エネ法の義務化でどうなるかは分かりませんが、おそらく躯体の断熱性+設備的な対策(高効率給湯機やソーラーパネル、エコ照明など)で温室効果ガス削減を目指すのではないかと思います。
今は設備(特にソーラーパネル)の力を借りて”ゼロエネルギー住宅”と謳うところもありますが、設備はメンテナンスコストや10~20年のスパンでくる機械的寿命と設備更新(追加コスト)が発生します。
新しい省エネ法の枠組みはどうあれ、省エネを目指した家づくりにかけるウエイトは、設備よりも建物本体の躯体の性能に資本投下する方が賢明。躯体の断熱性能は正しく施工さえすれば建物が存在する期間中には大きな性能劣化は起こしません※2。メカニカルな機械に頼るよりも愚直に躯体の性能を追求した方が長い目でみれば最も優れたパフォーマンスを発揮します。
※1:基準値
こちらのリンク先の下にある表「熱損失係数の基準値」に書かれたQ値の目標ラインで、
省エネ法の中で全国をⅠ~Ⅵ地域に区分し基準値が決まっています。
※2:断熱材の種類によっては経年で性能低下するものがありますので、それは設計者が
理解した上で安全側に設計するよう心がけます。←出来ている人がどれだけいる?
<関連過去エントリ>
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(1)
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(2)- 義務化の懸念 -
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(3)- 業者選びの物差し -
■問合せ先■
新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店
TEL : 0250-62-0318
FAX : 0250-62-7977
E-mail : yamahome@chive.ocn.ne.jp
blog左下のメールフォームからもどうぞ
ここだけ見ると同じ記事のように見えますが違います(汗)毎度毎度のように省エネグレードの表を示します。。。
グレード | 省エネ基準の名称 |
A | 次世代省エネ基準(平成11年基準) |
B | 新省エネ基準(平成4年基準) |
C | 旧省エネ基準(昭和55年基準) |
このシリーズ最後は、まとめとの意味で今の省エネ基準の実力値を踏まえたうえでの目標にしたい省エネレベルについて書いていきます。
現時点でAグレードは日本の省エネ基準の最高峰ですが、決して必要十分な断熱基準ではないということです。この辺は中々伝えづらい部分ですが、Aグレードの次世代省エネ基準をクリアしたからと言って家中ホテルのような快適性とエコカー並みの低燃費を両立できるわけではありません。
省エネ基準には地域別に基準値※1があり、決まった省エネ基準値(=省エネ度)をクリアすればよしとされています。しかしAグレードギリギリの住宅は、シミュレーションすると分かりますが従来よりは省エネにはなるものの、驚くほどのハイスペックな省エネレベルにはなりません。
省エネ住宅を作り慣れている私自信が思う事ですが、基準は最低の最低として建築費の総予算をにらみながら出来る限り省エネ度アップを目指すべきです。
目指すは次世代省エネ基準よりワンランク上のAA(ダブルエー)グレード。←勝手に命名
最低でも基準値の2割増しの性能値は欲しいところです。(理想は基準値の5割増し)
今後の省エネ法の義務化でどうなるかは分かりませんが、おそらく躯体の断熱性+設備的な対策(高効率給湯機やソーラーパネル、エコ照明など)で温室効果ガス削減を目指すのではないかと思います。
今は設備(特にソーラーパネル)の力を借りて”ゼロエネルギー住宅”と謳うところもありますが、設備はメンテナンスコストや10~20年のスパンでくる機械的寿命と設備更新(追加コスト)が発生します。
新しい省エネ法の枠組みはどうあれ、省エネを目指した家づくりにかけるウエイトは、設備よりも建物本体の躯体の性能に資本投下する方が賢明。躯体の断熱性能は正しく施工さえすれば建物が存在する期間中には大きな性能劣化は起こしません※2。メカニカルな機械に頼るよりも愚直に躯体の性能を追求した方が長い目でみれば最も優れたパフォーマンスを発揮します。
※1:基準値
こちらのリンク先の下にある表「熱損失係数の基準値」に書かれたQ値の目標ラインで、
省エネ法の中で全国をⅠ~Ⅵ地域に区分し基準値が決まっています。
※2:断熱材の種類によっては経年で性能低下するものがありますので、それは設計者が
理解した上で安全側に設計するよう心がけます。←出来ている人がどれだけいる?
<関連過去エントリ>
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(1)
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(2)- 義務化の懸念 -
・次世代省エネ基準、いよいよ義務化に(3)- 業者選びの物差し -
■問合せ先■
新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店
TEL : 0250-62-0318
FAX : 0250-62-7977
E-mail : yamahome@chive.ocn.ne.jp
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