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国立西洋美術館(1)|建築探訪@上野

少し前ですが国立西洋美術館を見学してきました。

美術館がある上野公園はアートの森。周辺には美術館や博物館が点在しています。
殆どの施設には入ったことがあるのですが、何故かここはいつも素通り。。(いや何度か行こうとしましたがいつもタイミング悪く休館で・・イイワケです)
建築としては、世界的巨匠ル・コルビュジエの日本唯一の作品として、上野に来たら真っ先に見学せねばならない建築物。

DSC_1520_国立西洋美術館_ファサード

国立西洋美術館は正面から見えるこちらの本館がコルビュジエの設計。といっても氏は基本設計のみで、実施設計と監理はコルビュジエの弟子の前川國男氏、坂倉準三氏、吉阪隆正氏らが行っています。
コルビュジエは建築前に現地調査でこの地を見たものの、完成した本館を見ていないというのが驚き。その当時フランスから見た日本は東の果てにでも思えたのだろうか。

そして、1979年に増築された裏手に繋がる新館は前川國男氏の設計。増築部分もコルビュジエの意思を受け継ぎ、本館と一体的に作られています。



外壁は玉石入りのプレキャストコンクリートパネル。

DSC_1524_国立西洋美術館_外壁

本美術館は床、壁、天井高さなどいたるところの寸法体系がモデュロールと呼ばれるコルビュジエが提唱した寸法体系を基本として生み出されています。
そして、上に向かって高さが詰まっていくこの外壁のパネル割(目地割)もモデュロールの考え方から生まれたと言われている。

下から見上げると、実際にはそれ程高くはないのですが、上に向かって高さが詰まっているパネル割りのせいで視覚的に高く見えます。



美術館外周部を囲むようにフタ状に繋がって見えるもの。
これは外部で確認することができる免震構造の証と言える「免震クリアランス」。

DSC_1527_国立西洋美術館_免震クリアランス

1998年、美術品の保護などを目的に建物を免震構造に改修する「免震レトロフィット工事」が行われました。
建物を免震化することで、地盤と建物の縁を切り地震の揺れが建物に伝わりにくくすることで、美術品や来館者を地震から守り、更には上部構造(美術館本体)の素晴らしいオリジナルデザインをそのままにできるという非常に理にかなったものです。

免震構造を例えるなら、人が車付きの荷台の上に乗っている状態で、地震で地盤が揺れても荷台に乗ってる人には揺れが伝わらないのと同じ仕組み。免震構造にすることで建物に伝わる揺れが概ね1/10程度になります。

地震の際には免震装置が機能すると、ここに見える蓋の幅分だけ地盤が動いて(相対的には建物が滑る)、地盤と止まっている建物とが衝突しないようになっている、そんな建物と周辺地盤との縁切りの部分なのです。

もしも他の美術館やビルなどでこのように建物をぐるりと囲む免震クリアランスらしきものが目に着いたら、その建物は免震構造かもしれません。(マニアックな視点です(笑))



美術館ホールから降りる地下休憩コーナーには、壁に小窓が設けられ建物を支える免震装置を直接見ることができます。

DSC_1594_国立西洋美術館_免震アイソレータ

写真左中ほどで黒く見える部分が建物と地盤の間に入っている免震部材。金属板とゴムを積層させた積層ゴムアイソレータです。
いうなればミルフィーユのように金属板とゴムが交互に積層されています。

地震の際にはこのアイソレータが横にひし形状に変形し地震エネルギーを吸収。揺れが収まればまた同じ場所に戻る(復元)という仕組みです。
免震装置は他にも工法がありますが、この積層ゴムアイソレータが最も実績と歴史ある工法ではないでしょうか。



次回「国立西洋美術館(2)|建築探訪@上野」では建物内部に入ってみましょう。

写真は全てNikon D90 + AF-S DX Nikkor 18-55mm F3.5-5.6G VR

■問合せ先■
新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店
TEL : 0250-62-0318
FAX : 0250-62-7977
E-mail : yamahome@chive.ocn.ne.jp
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2 Comments

オーガニックスタジオ新潟の相模  

やるね。わたし前回に行ったとき、ここだけ時間切れで内部までは入れていなかった。ダビンチの絵が来た時だ。内部楽しみにしております。

2010/12/22 (Wed) 10:24 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

相模さん

ん?ダヴィンチは無かったような。。

コルの建築を身体で感じられる唯一の建築。建築を志す者にとっては聖地ですね。
今までいくつも美術館や博物館は行きましたがいい意味で異質な空間。コルのオーラがひしひしと伝わってきます。何度も行きたい場所だと思いました。

狭過ぎて最初から昇降不可になった階段や一度も使われない出口とか、建築のアクが強すぎて美術館側からダメ出しが出てる辺りは笑えましたが。

2010/12/22 (Wed) 12:01 | EDIT | REPLY |   

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