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国立西洋美術館(2)|建築探訪@上野

前回(国立西洋美術館(1)|建築探訪@上野)の外部編に続いて、後半は内部編。

本館内部、常設展示場。

DSC_1533_国立西洋美術館

2階から突き出たバルコニーの下を低めに抑えた展示コーナー。上のバルコニーは2階展示室の一部が張り出したもの。

これは建築と展示品との関係にも言えることですが、低めに押えた天井の下には小ぶりな彫刻や絵画を展示し、小さな美術品を余白の少ない落ち着いた空間に演出しています。建築と展示品との関係がうまく共存している、そんな印象を受けます。

低い天井と高い天井、展示室のどの場所においてもこの二つの寸法が一対で存在しており、常設展入口を入ったすぐの19世紀ホールもまた同じで、一気に2階天井まで抜けた吹抜けの上には三角形のトップライトを配置。

DSC_1534_国立西洋美術館

コルビュジエ建築の特長でもある丸い独立柱に支えられた天井から優しい自然光が落ちる気持ちいい空間。



天井の低い部分の高さはコルビュジエの寸法体系モデュロールから決まった2260mm。フランスの平均的成人男性が手を伸ばして手が届く高さとされていますが、他のどの美術館や博物館を見てもここまで天井を低く抑えた設計は見たことが無い。

DSC_1550_国立西洋美術館

低い部分の天井を黒で潰している真意は定かではないが、おそらく低い2260mmの天井とその倍ある天井高の変化をより強いものとしようとしたのではないか?と思います。

人が空間を認知する感覚は、横の拡がりと高さのバランスに影響される。つまり、このように横に広いホールと小規模な住宅とでは同じ天井高でも人が受ける印象は異なるので、一般的なセオリーからすればこの広さでこの天井高、しかも黒、。。。巨匠でなければ中々。。。現にこの天井高は物議をかもしたらしいですが(苦笑)

DSC_1552_国立西洋美術館

低く抑えた展示空間には小さな絵画などが展示され、本来ここ2階展示室は行き止まりの無い横に拡がる回遊空間にも関わらず、落ち着いて展示品を鑑賞することができます。私が受けたこの感覚は建築からもたらされたものだろうと思います。



本館から一体的に連続するのが前川事務所が担当した増築部分の新館。

DSC_1578_国立西洋美術館


こちらも空間の高低差、丸柱などと本館の意思を受け継いだ空間構成となっているものの、やはり設計者が違うだけに空間の割り方が師匠コルビュジエに比べると大らかな印象。
どちからかと言えばこちらかが一般解のようにも思います。丸いトップライトが印象的でした。



常設展示室は本館>新館と廻り本館ロビーへと帰ってきます。
ここは展示室を出た先にある休憩コーナー。

DSC_1583_国立西洋美術館

当然のごとく家具もコルビュジエ。LC2、LC3、LC4が鎮座。贅沢過ぎの一言。。
使い込まれたソファーは身体に馴染む柔らかさで、疲れた目と足を一休みできるいい場所です。

そして、この休憩コーナーの隣の書籍・情報コーナーには国立西洋美術館を建築的角度から解説したパンフレットが置かれています。

R0022469_建築探検マップ_国立西洋美術館

A4見開きの「建築探検 ぐるぐるめぐるル・コルビュジエの美術館」と題されたパンフレット。
内容は密度高く建築とコルビュジエについて解説されているのですが、一般の方でも十分理解できる分かりやすい文章で構成され好感が持てます。

美術館の順路としては逆ですが、建築初学者は是非まずこのパンフレットを手にして隣のソファーで熟読。それから順路を辿って美術館を建築探訪することをお勧めします。俄然建築への興味と理解度が深まるでしょう。


写真は全てNikon D90 + AF-S DX Nikkor 18-55mm F3.5-5.6G VR
(パンフレット写真のみRicoh GX200)

<関連過去エントリ>
・2010.12.21 国立西洋美術館(1)|建築探訪@上野

■問合せ先■
新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店
TEL : 0250-62-0318
FAX : 0250-62-7977
E-mail : yamahome@chive.ocn.ne.jp
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- 4 Comments

オーガニックスタジオ新潟の相模  

ナイスなガイド記事!
LCの椅子は近所の法隆寺宝物館にもあってそこは黒でした。たぶん御覧になられていると思いますけど。

2010/12/24 (Fri) 16:23 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

相模さん

宝物館はもちろん行ってます。谷口建築好きとしては上野公園界隈で真っ先に行った場所です。
私が行った時は2階の休憩コーナーにLC2が群れをなしてました。いったいあれ全部で幾らなんだと、即刻ソファーで休憩したのはいうまでもありません(笑)

2010/12/24 (Fri) 19:37 | EDIT | REPLY |   

tune  

見る角度の違い

見る人の背景の違いで、建物一つもまた違う印象になるのだなと興味深く拝見致しました。

私が国立西洋美術館に行ったのは約15年前位ですが(昔!!)、その時と変わりない美しさにびっくりしました。

美術館、博物館一つとってみても、ただ箱の中の物を見るのではなく、多角的にみるとまた楽しさが増えるのだなと実感しました。

何気なく見ている建物も、もしかしたら「なんとか」っていう有名な建築家の作品なのかもしれませんね。

2010/12/25 (Sat) 21:45 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

tuneさん

美術館の外も中も定期的にメンテナンスされ維持管理が行き届いているので本当に綺麗、いい状態です。

>ただ箱の中の物を見るのではなく、多角的にみるとまた楽しさが増えるのだなと実感しました。

私の場合は中そっちのけで箱を見てる変わり者です(爆)

2010/12/26 (Sun) 01:19 | EDIT | REPLY |   

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