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震災で感じた”安全な住まい”の新しい視点

東日本大震災がもたらしたM9.0の地震は、1000年に1度の大地震と言われています。

過去の阪神淡路大震災や新潟県中越地震が直下型地震であったのに対して、今回は震源が海にある海溝型の地震。
海溝型地震であったことが巨大な破壊力を持つ津波を生み、場所によっては20mを越える津波が観測され、建物はおろか都市全てを飲み込み押し流すという未曽有の被害をもたらしたのは説明するまでもありません。

日本地震マップ
(画像出典:日本地震マップ-東北関東大震災時の震央を地図表示-

津波が引いた街を見ると、軽量な木造住宅などは基礎を残して跡形もなく、RC造の建物が廃墟のごとく残る光景。これを見せられると住宅単体の耐震性を議論していることが無意味にすら思えてきます。
もっとも、現在の建築基準法では建物を倒壊に至らしめる外力の種類を「地震(地震力)」と「台風(風圧力)」とし、この2つで一定の外力を受けても倒壊せず、安全に設計することとなっています。
つまり、今回のような「津波」に対する安全設計法は一般建築レベルでは想定されていないのも事実。

さらには、現在の基準は地震の規模想定も数百年に一度レベルの地震で倒壊しないような耐震性基準になっているため、仮に現在の建築基準法に「津波(津波圧力)」に対する設計項目があったとしても、1000年に1度という極々まれな発生確率の超巨大破壊力から建物を守ることは残念ながら困難だったのではないかと想像できます。

つまりは、今回の震災がもたらした破壊力は、地震動、津波圧力全てが想定外で、技術者の想定リスクの枠を超えていたのです。

”安全な住まい”とはどうあるべきか


東日本大震災で改めて”安全な住まい”とはどうあるべきかを私なりに考えてみました。

<震災規模想定>
設計する際にはどんなものにも”リスクの想定”があります。今回であればどれ程の地震や津波の破壊力を想定するかです。
1000年に1度の破壊力を想定し安全につくることは技術的には可能だが、私の正直な考えとしては、経済性の観点から一般個人が捻出できる建築費で1000年に1度級の震災を想定しておくのは無理ではないかと。
現在主流になっている耐震設計上、構造材は太くなり、接合も強固、硬い壁がこれでもかと建物のあちこちに配置される。しかもそれは今よくみる光景とは別次元のレベルで。
たとえ設計に盛り込んだとしても、今の社会的価値観の中で、お客さまから同意を得ることは難しいと思います。

個人住宅レベルで経済性も踏まえて許容できるリスク想定は、現行の建築基準法想定のせいぜい150%~200%強化くらいではないだろうか。

マクロ視点の”安全な住まい”


単に”地震に強い家”を作るには?という答えに、壁をたくさん入れて硬く丈夫な家にすることがベストという風潮があるが、少し見方を変えると違った”安全な家”の姿が見えてくる。

地震や台風、津波に強い家=安全な住まいと仮定すれば、住宅単品の構造強化がどうのという範囲にとどまらず、建物が存在している周辺環境も含めてた総合設計で”安全な家”を設計してはどうか。
マクロ視点で考えると家単独ではなくなるので、ここでは”安全な住まい”とはどうあるべきかとして考えてみた。

<建物構造>
『平屋であること』
2階建て、3階建てとすると自重が増し地震時に建物が受けるせん断力が大きくなり不利。
振り子の原理と同じく、建物の高さが高くなると同じ重さの建物でも大きく揺さぶられ、その結果転倒の危険も増す。
2階建てが倒壊する典型は、1階部分がつぶれ、2階部分が覆いかぶさるように倒壊する例が多いので、平屋であれば1階に居て圧死するというリスクも少なくなる。
平屋であれば、2階建て、3階建てに比べて構造材も細く住み、結果安価に高耐震が実現できる。

<周辺環境>
『海岸線から離れる』
津波被害から逃れられる。
海岸線の形状や陸地の海抜にもよるので一概には言えないが海岸から5km以上は離れた方がいいように思える。
(参考:今回の震災では宮城県から福島県にかけての沿岸約110kmの広い範囲で、海岸から最遠5kmの地点まで水が達した)
津波で建物が大破しなくとも、床上浸水を受けると建物の機能回復が困難になる。

『北の地を建築地とする』
台風による被害がなくなる。
できれば日本海側のような豪雪地を避け、積雪量の少ない地を選ぶ方が積雪荷重を考慮しなくて済むのでよりよい。

『硬い地盤の場所を建築地とする』
地盤が軟らかいと地震動が増幅する。場所によっては液状化の恐れがある。
昔田んぼや沼地だった場所を避けるか、地盤改良を行い支持地盤に建物をしっかりと定着させる。

『広く平らな敷地を選ぶ』
隣の建物や塀が倒壊し共倒れになることがなくなる。
地震による火災のもらい火がなくなる。
山間部を避けることで、土砂災害のリスクがなくなる。




こう書いてみると、当り前のことばかりで見ようによっては少し偏屈な条件付けにも思えるが、こんな視点で安全な住まいが作れると提唱している建築関係者は少ないのではないかと思う。

一言で”安全な住まい”をまとめると、

「海岸から離れた広い田舎の地に、平屋で丈夫な家を建築する」

となりますが如何でしょうか?


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