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キューブ構造が強さのカナメ|水平構面の性能アップ

「地震に強い住宅にしてください」こんな事を言われた普通の住宅会社はどう応えるでしょうか?

「構造壁を沢山作りましょう(耐力壁を増やす、高倍率の耐力壁にする)」、「柱と梁を太くします」、「基礎をがっちりつくります」・・・などなど、的を得てるかは別としてよく返ってきそうな応えです。

ツッコミどころが少々ありますが、大枠では間違っていないとしましょう。ただ、専門家である(と思われている)住宅会社ですら、殆ど触れず、意外と軽視している構造要素があります。

専門用語では「水平構面」。かみ砕くと「2階の床面」や「屋根面」の事を指します。
水平に対して、垂直に立った構面は構造壁(耐力壁)で、これを「鉛直構面」といいます。

なんとなく、丈夫にするには構造壁(鉛直構面)を強くすることに頭がいきがちですが、それだけでは片手落ち。2階床や屋根などの水平構面もバランスよく強くしなければいけません。

床面が弱いと床が変形し建物がねじれたり、弱い部分に力が集中します。これを概念図にするとこのような状態。

水平構面

建物がねじれて倒壊するケースは実際の建物被害の例でも割とあります。

住宅の構造をバランスよく作るには、壁だけを強くするのではなく、壁を強くすると同時に水平構面も強くする必要があります。イメージ的には住宅をキューブ(立方体)として捉えて、全ての面を強くする意識が重要です。

身近なもので”段ボール箱”がいい例です。段ボール箱の上を開けっぱなしですと簡単にねじれて潰れてしまいますが、段ボール箱の上をしっかりテープで閉じれば強固な立方体になる、というのは経験的にもよく理解できると思います。



前置きがなくなりましたが、水平構面の床や屋根面を強くするにはどうするか?こがねの家で実例をみていきましょう。

床構面


2階の床下地は、根太を使わないいわゆる根太レス工法。厚い合板を梁に直接打ちつけて床を作ります。
使う合板は、厚さ24mmの構造用合板。

R0024173_建方_2階床合板_剛床

通常は、合板の留め付け方法は、N75釘を使い15cmピッチで川の字打ちするのですが、今回は更に強い仕様で施工します。



プラン的に耐力壁間距離がそこそこ飛んだ設計で、尚且つ長期優良住宅の設計条件で地震力を基準法よりも割り増しているため、当社でいつもやっている床の仕様で構造計算をかけると結果がNG。今回は特別なビスを使用し床の剛性を上げる方法を取りました。

R0024258_ネダノット

床の剛性を飛躍的にアップできる専用ビス、東日本パワーファスニング社の「ネダノット」を使用。

IMG_0130_水平構面_ビス_ネダノット

床の強さは”床倍率”という指数で比較できるのですが、

<床倍率>
(1) 24mm合板にN75釘を15cmピッチで川の字打ちで : 1.2倍
(2) 24mm合板にネダノットを10cmピッチで川の字打ち : 3.5倍

(1)は当社の一般的な床の構造仕様。(2)がこがねの家での仕様。その差は歴然、床倍率で約3倍の性能アップ。
このネダノットがなければこがねの家の構造は成立しません。たかがビス、されどビスですが、構造的に重要な役割を果たしてくれます。

屋根構面


設計実務者の方であれば共感してもらえるのですが、木造の屋根面は他に比べてとにかく柔らかい(=剛性が低い)。いつも屋根構面の設計では力不足に悩まされます。

今回も構造設計の際には苦戦しまして、結果的には一般的に使われている屋根倍率では追いつかず、実験データから屋根倍率を導いた数値を構造計算に入れ込んでなんとかクリア。。(一安心)

R0024198_屋根垂木_転び止め

屋根構面が他より弱いとされている原因は、この垂木があること。
先程の床のように、小屋梁に直接野地合板を留め付けられれば相当剛性がアップするのですが、垂木がある分どうしても不利。

当社の屋根の仕様では定番ですが、垂木の間に転び止めを配置。垂木の寸法・接合方法、転び止めの寸法・接合方法を厳格に管理して屋根構面を作ります。

R0024210_屋根_野地合板_屋根構面

垂木と転び止めの取付けが終わると、構造用合板を規定のN50釘で150ピッチで留め付けて屋根構面の完成です。



鉛直構面の壁は、以前に説明済みのHPパネルで固め、水平構面もこのように剛性を上げていく。
こうして、建物を構造的なキューブと捉えて性能アップしていきます。床構面、屋根構面もしっかり設計して、同時に現場で施工・管理していくことも大切です。現場をしっかり管理しないと、接合方法一つとっても大工達は今までどおりのやり方で屋根を作ってしまうので油断はできません(笑)

今回はかなり専門的な話になってしまいました。書こうかどうか迷いましたが、住宅構造として軽視できない部分でしたのであえて書きました。
最後まで読んだ方はえらい、辛抱強いかたです(苦笑)


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