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床・屋根構面の作り方|水平構面の施工ポイント

前回の耐力壁の施工ポイントに引き続いて、今回は”床と屋根構面の施工ポイント”について解説。

構造の話は建物の外観デザインや室内の仕上げ材とは違い、それ自体で日々の住み心地が変わることがありません。もし体感することがあるとすれば、もしもが起こった時に隣の家は傾いたがうちは大丈夫(極端な例ですが)という時で普段は全くありがたさを感じることがない。

構造設計は意匠設計とは対極で地味ですが、当社では構造の基本性能ありきで、その上で自由に意匠を組み立てていく。そんな家造りを目指しています。

水平構面の曖昧さを明確に


殆どの木造住宅で行われている”仕様規定”のルートで住宅を設計していると、ないがしろになりやすいのが屋根と床の構造性能です。
壁(耐力壁)は仕様規定で設計しても一応どれくらいの量を、どういうバランスで配置しなければいけないかが法律(建築基準法)の中でチェック項目として存在しますが、屋根や床などの水平構面は建物の規模やプランがなんであろうとも、壁(耐力壁)のような明確な基準はありません。(性能表示で耐震等級2以上ではチェック基準がありますが、戸建木造住宅での普及・実施割合は僅かです)

仕様規定で設計している設計者自身が何をよりどころに床や屋根を作っていけばよいのか、この作り方で果たして構造的に必要十分なのかが分からずやっている。というのが実情ではないでしょうか。つまり、”勘”や各社の”施工標準”から決めていると思います。

R0026348_2階床

この問題を解決するにはどうするか?答えは2つ。略式な方法と詳細な方法があります。

・略式 : 品確法に定める床倍率の計算から必要床倍率を求める
・詳細 : 構造計算から必要な水平構面を求める

どちらの方法をとっても精度に違いはありますが、根拠をもった水平構面を求めることができます。
無論、当社は構造計算のルートで水平構面の構造を決めています。

そこで構造的に重要になるのが2階の床と屋根面や桁(小屋桁)面の構造。
1階の床が抜けていますが、構造的に1階の床はそれを支える土台が基礎にアンカーボルトで緊結されていますので、1階の床は基礎と一体としてみて、1階の床自体の剛性は考慮しません。(とはいえ、2階床に準じた施工方法を取っています)

それでは「北本の家」の家では床と屋根を構造的にどう作ったかを順に解説。

2階床構面の仕様|構造用ビス「ネダノット」


2階の床の必要性能は、直下階の1階にある壁(耐力壁)の量と配置の条件で決まります。
内部が開放的なプランですと計算的に手厳しくなるのですが、今回は比較的内部耐力壁を確保できましたのでそれほど苦労はしませんでした。

床は24mmの構造用合板、接合具は釘ではなく、構造用の専用ビス「ネダノット(東日本パワーファスニング社)(2017.1月追記:社名変更:シネジック社)」を使用し留め付けます。

R0026352_ネダノット施工

ネダノットは、同じ床合板を使ってもビスを打つ配列やピッチで床倍率が変わります。
今回は合板に対して川の字打ちで15cmピッチ。これで床倍率2.3倍。

R0026351_ネダノット施工

<床倍率とは?>
根太を34cm以下の間隔で転がし配置し(=落とし込みでない)、その上に構造用合板12mm以上をN50釘で15cm以下の間隔で留め付けたもの。これを「床倍率1」として、その何倍かを表した指数です。つまり倍率の数字が大きいほど、硬く強い床ということになります。



CN50釘とネダノットを比べると見た目でもその違いがよくわかります。

R0026355_CN50釘とネダノット

R0026358_CN50釘とネダノット

太くて長いビスであれば何でもよさそうですが、ネダノットは性能試験を経て性能が明らかなことは勿論ですが、普通のビスと違い力が掛かっても折れずに曲がります(これ重要)。
分かりやすい動画→ ≫釘と一般的ビス、ネダノットの比較動画リンク≪

金物メーカーの方からご教授いただいたのですが、ビスは製造工程で焼き入れを伴うので焼き入れによって硬く強くなるものの、逆に脆くもなる。つまりビスの終局時は頭が飛んだりねじ切れたりします。折れずに曲がって壊れ、粘るビスにはそれ相応の材料特性と焼き入れ方法が必要なのだと。

日曜大工の木工程度でビスを使うには何でもいいですが、構造用でビスを使う場合はこうした性能が明らかなものを使う必要があります。

屋根構面の仕様|転び止め付き屋根構面


屋根面は壁や床に比べて水平剛性を上げにくい(=硬くしにくい)部分です。理由は垂木を小屋組みに架け渡して留めているため、力を受けると垂木が横に転がろうとして壊れ、合板を梁に直張りする床などに比べると硬く作りにくいのです。

そのため、当社では屋根剛性を上げるため、転び止めを併用しています。

R0026174_屋根垂木、転び止め

垂木と垂木の間に挟まれるように取り付いているのが“転び止め“と呼ばれる材料です。

構造面だけを考えると垂木と同寸の転び止めとしたいところですが、屋根通気も考慮し、通気がとれる分だけ転び止めの高さを低く設定しています。
また、床の時と同様に垂木の留め方(釘の種類と本数)、転び止めの留め方(釘の種類と本数)も厳格に決まっていますので必ず現場に伝えて守ってもらいます。こちらも「止まってればよい」というものではありません。

ひねり金物も軽視してはいけません


勿論、垂木にはあおり止めの”ひねり金物”ももれなく付いています。

R0026171_屋根垂木、ひねり金物

垂木と梁とを相互に留めているものが”ひねり金物”です。細長い板ガム状の平板をひねっているかたちをしているので”ひねり金物”。そのまんまですが、在来工法用金物のZ金物としての正式名称です。

ひねり金物は、屋根が風であおられた時(吹上げられた時)に飛ばされないようにするもの。大工に言わせると、垂木を梁に釘止めしてるわけだからこれはいらないだろとよく言われますが、構造的に吹上げ力を負担するのはこのひねり金物。
これを軽視しつけなかったり、取り付け箇所を間引いたりという話を聞きますからそんなところは要注意です。



度重なる建築基準法の改正で、壁(耐力壁)の配置やバランスの重要性は比較的浸透してきていますが、床や屋根の水平構面の現場意識はもう一歩という感じがします。

段ボールも4面キューブ状にガムテープで固めることで初めてサイコロのように丈夫になります。上の口が開いた段ボール箱(=水平構面がゼロ)は横から押せば簡単に歪んでしまいます。

構造的には壁(鉛直構面)と床・屋根(水平構面)はセットで考えておかなければいけません。


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