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耐震改修|崩壊を免れるためのコスト配分

東中野山の家リノベ工事は断熱改修、耐震改修、自然素材仕上げの3つがリノベーションとしての新たな付加価値。
今回はそのうちの耐震改修。

R0027963_耐震改修

耐震改修は先の断熱改修よりも範囲が広く、全てを100点にしようとすると大幅にコストと時間を掛ける必要があります。

今回は予算策定時の計画と、解体後の現況を確認した上での耐震改修の内容をご紹介。


耐震改修の主要項目


この建物は築40年。つまり新耐震基準(1981年)より前、旧耐震基準時代の建物。
これだけ古いと現行の耐震基準とは大きく異なり、基礎や構造部材などに問題があるのは明らか。
構造的な観点からポイントを整理すると

(1) 基礎構造の見直し
(2) 壁量不足の改善
(3) バランスのよい耐力壁の配置
(4) 構造部材に生じる応力に適した接合部


が大所となりますが、(1)の基礎は現行基準に適合させようとするとコスト的に大きな負担になるため今回は諦め、(2)~(4)を再点検し耐震改修の柱としていきます。

限られた予算の中で何に優先順位を付けるかがポイントでもありますが、木造住宅の崩壊パターンとしては耐力壁がその力を失うと、変形に耐えられず2階建てならば1階の層毎崩壊するというのが典型な破壊モード。まずはこの破壊モードを避けるべく耐震改修が必要です。

その時に勿論、基礎も力を大地に流す上で重要なのですが、地震時に基礎が壊れて上物が残り、基礎が原因で人命が失われるというケースはまずない。解体時の基礎を目視で点検し、最低限布基礎でそれなりに基礎が回っていれば致命的な結果にはならないでしょう。

そんなわけで、耐震改修の最優先は何よりも耐力壁の充実とそのバランスよい配置、つまり先ほど上げた中での(2)と(3)になります。



この他には軸組構造部の架構もありますが、この建物も古い昔の時代の軸組ですので、架構はシンプル。手刻みで大工が架構した町場の家屋ですので、アクロバットな架構はなく、シンプルなので特に変な力の流れもなさそうでした。

ただ、時代の中で増改築の跡が発見されたのは今の施主も含め私たちも思わぬ“発見“でしたが(笑)


耐力壁の施工|耐震改修工事


既存建物は旧耐震基準時代の建物です。時代的には住宅の基礎にようやくコンクリート造か鉄筋コンクリート造にするようにと決められた時代。
今と比べると軸組端部の接合の明確な規定はなく、耐力壁の必要量も圧倒的に少ない。耐力壁の筋交いも見た目からして「とりあえずあそことこっちに入ってます」程度。

解体して出てきた筋交い(過去記事の最下段)はそのまま使うには頼りないので、全て一旦撤去し、施工できる範囲で全て構造用面材を使った耐力壁としていきます。

既存の筋交いは現在の壁倍率換算で1.5倍(ただし、端部が釘留め程度ですので実力値としてこの強さはない)、新たに施工する構造用面材は構造用MDF(ノダ社の構造用ハイベストウッド)で2.5倍、吉野石膏社のグラスロックも使うのでこちらは施工方法によりますが今回は2.9倍、と同じだけの壁量でも確実な耐震性アップが期待できます。
(リフォームの時は“壁強さ倍率“を使うのが正しいのですが、簡潔さ優先で壁倍率の指標を使っています)



断熱改修が終わり断熱材の施工が終わると先ほどの構造用面材を張っていきます。

白く見える面材がグラスロック。

R0027922_耐震改修耐力壁グラスロック

納まり的に構造用MDFが張れなかったので、この場所だけグラスロックを使用しています。面材の留め付けには専用ビスを使いビスピッチもしっかり管理。

R0027923タイガーグラスロック耐力壁

表面は石膏ボード同様この上直に内装仕上げができるようになっているため、グラスロックのロゴは入っていますが仕上げた時に浮いてこないように非常にうっすらと(笑)裏面にははっきりラべリングされています。


その他の場所には構造用MDF(構造用ハイベストウッド)を施工。こちらは新築時にも時々使うおなじみの材料です。
こちらも指定のN50釘と規定釘ピッチがあるので適切に管理。

R0028017_構造用MDFハイベストウッド釘N50

こうした構造用面材系は張られていればなんでもOKというわけではありません。力を伝達するファスナー(釘やビス)の施工と管理が重要。

その他にも、耐力壁が受ける地震力を地盤まで流すために柱梁の端部も金物で補強していきます。

余力の期待|耐震改修工事


耐震改修の際には机上で追いかけられる構造要素以外にも期待できそうな部分には期待して耐震改修をします。

今回で言えば旧床の間があったコの字状の壁がそれに当たります。

R0027982_構造用MDFハイベストウッド耐力壁


床の間があった袖の壁は壊すと基礎と土台はあるものの、上に頭繋ぎの梁がない。しかも袖壁の幅は2尺(60cm)。

ここはコの字が2つ並ぶ連続した面で固めて直交壁効果を余力として期待します。2尺の袖壁方向は比較的壁量不足なので、設計的にもこの壁でさえも期待したいという想いもあります。

動画|作業工程



解体が完了し、新しく耐力壁を施工。土台から張り上げるため床下地より先行して行っています。





耐震改修がほぼ完了した状態。解体時には数か所の筋交いしか入っていなかった頃と比べ面で耐力壁を作ります。
見た目でもあきらかに安心感があります。




まとめ


今回はコスト配分を見極めて、壁量不足の改善、耐力壁配置バランスの改善、接合部の補強を主とした耐震改修。

今回解体してみて安心できたのは、シロアリなどによる木部腐朽がなく、床下も砂敷きとはいえ乾燥状態がよく、腐朽による土台や柱の入替えがなかったところ。

耐震改修が終わればリノベの下地工事もほぼ完了。徐々に造作工事へと工程が進みます。


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