竣工写真アルバム|ディテール編
前回の「竣工写真アルバム|ビフォーアフター編」の続きで今回は細部のディテール編。
キッチンは大工仕事で造る造作キッチン。
天板下のキャビネット部は扉の無いオープン型を基本に、奥さまの使い勝手を伺いながら必要な場所に必要なものを組み込んでいます。


組込みものはシンク下にサランラップや小物を置くパイプ棚。パイプ棚の下はゴミ箱置き場に。
センターにはボール類を収納するスライドバスケット。ガスコンロ脇はお玉や調味料類を収納するスライドストッカー。という構成です。
スライドバスケットとスライドストッカーはハーフェレ社の家具用金具でまとめています。



スライド系の全ての金具には静かにゆっくり閉まるソフトクローズ機構付き。構造もドイツ製らしく堅牢なつくりで安定感があります。
造作キッチンはメーカーのシステムキッチンのような豪華さはありませんが、システムキッチンにはないシンプルさ、使い手が最も使いやすいように組める柔軟性があります。そして素材選びもコントロールでき、インテリア的な統制もとることができるのがメリットでしょう。
旧台所の流し台があった出窓は内窓を設置し開口部も断熱強化。内窓で採用したウッドワンのMOKUサッシも無垢で出来たサッシなので違和感なく調和。

窓の上にはオークのウッドブラインドを設置。

お隣さんのリビングが目の前という、お互いが心理的に気になる開口部もキッチンを移動したことと、このウッドブラインドで解消されます。
窓の下には家具工事で置き家具を製作。
床のナラ材に合わせて、全てナラ(オーク)で仕上げています。

お客さまの家具イメージがアンティーク系でしたので、引違いの框戸にはアンティーク調の装飾ガラスを組込み、引手金具には真鍮ハンドルを使用しています。

リノベ工事の断熱改修では、外周部だけに限らず、天井も含めて内部の部屋に面する部分も断熱工事で断熱材が入っています。
そして、2階に通じる階段吹抜けにはその断熱区画を連続するために、水平に断熱ブラインド(ハニカムサーモスクリーン)を設置。
2階に上がる際にはハニカムサーモスクリーンを開けて昇降。

2階の部屋の使用頻度は殆どないので、通常時はこのように閉じた状態に。

ハニカムサーモスクリーンは一般的に窓の内側にブラインドの代わりに付けますが、今回は水平や傾斜面に付けられるトップライトタイプを使用。
冷暖房時には空調効率を補助する役目をしてくれます。
壁の仕上げは左官壁のゼオライトエコナ塗り。刷毛引きの上、コテ押え。
テクスチャを付けないフラット仕上げもマットでよいのですが、これくらいの方が引き目で見ても左官の存在感が味わえてよいバランスです。

職人の手で造られた有機的な刷毛目も相まって、光の反射もやわらかく、よい陰影を造り出してくれています。

天井のシナ合板貼りとの相性も抜群です。
床材が与える全体への影響は大きく、部屋の仕上がりイメージの方向性によって樹種を選びます。
今回は全体がミディアムブラウンの質感にまとめることを念頭に置きながら素材を選択。
床材にはナラ(オーク)材の無垢フローリングを採用。無塗装品のナラのフロアを貼り、キヌカのオイル仕上げ(オイルフィニッシュ)としています。

ナラはブラックウォールナットやチークほど濃すぎず、メープルやパイン、バーチほど明るすぎないミディアムブラウン。
木目もナラ独特の斑(ふ)があり、タモ(アッシュ)材などよりも木目が落ち着いています。
建築で神経を使うのが素材の選択と、それらを一つの建築空間としてどのようにまとめるか、仕立てていくか。
素材を選び、寸法を決め、仕上げをコントロールする。

現場でどう納めるか(=加工・組み立てるか)、ミクロ(細部)で考えそれがマクロ視点(ぱっと見の印象)でどう感じるか。
毎現場、毎現場で悩み思考しますが綺麗に仕上がるとそんな苦労もどこかに。
建築は大変ですが楽しい。。。
「東中野山の家リノベ」の過去記事は左のカテゴリー、もしくはこちらのリンクから連続でご覧いただけます。
<関連過去記事>
・2012.09.24 無垢フロアサンダー掛け&オイル仕上げ|最終仕上げ
・2012.09.18 ハニカムサーモスクリーン、ウッドブラインド、照明器具付け
・2012.09.14 MOKUサッシ(ウッドワン)初採用、製作建具吊り込み|建具工事
・2012.09.11 壁ゼオライトエコナ塗りとその効果|左官工事
・2012.09.10 天井シナ合板グロスクリアオイル仕上げ|オイルの特徴
・2012.09.05 造作キッチンができるまで|大工造作工事
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新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店
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当社の住宅に対するスタンス、設計コンセプトなどかみ砕いた説明をしています。
造作キッチン
キッチンは大工仕事で造る造作キッチン。
天板下のキャビネット部は扉の無いオープン型を基本に、奥さまの使い勝手を伺いながら必要な場所に必要なものを組み込んでいます。


組込みものはシンク下にサランラップや小物を置くパイプ棚。パイプ棚の下はゴミ箱置き場に。
センターにはボール類を収納するスライドバスケット。ガスコンロ脇はお玉や調味料類を収納するスライドストッカー。という構成です。
スライドバスケットとスライドストッカーはハーフェレ社の家具用金具でまとめています。



スライド系の全ての金具には静かにゆっくり閉まるソフトクローズ機構付き。構造もドイツ製らしく堅牢なつくりで安定感があります。
造作キッチンはメーカーのシステムキッチンのような豪華さはありませんが、システムキッチンにはないシンプルさ、使い手が最も使いやすいように組める柔軟性があります。そして素材選びもコントロールでき、インテリア的な統制もとることができるのがメリットでしょう。
ウッドブラインド
旧台所の流し台があった出窓は内窓を設置し開口部も断熱強化。内窓で採用したウッドワンのMOKUサッシも無垢で出来たサッシなので違和感なく調和。

窓の上にはオークのウッドブラインドを設置。

お隣さんのリビングが目の前という、お互いが心理的に気になる開口部もキッチンを移動したことと、このウッドブラインドで解消されます。
食器棚(キッチン収納家具)
窓の下には家具工事で置き家具を製作。
床のナラ材に合わせて、全てナラ(オーク)で仕上げています。

お客さまの家具イメージがアンティーク系でしたので、引違いの框戸にはアンティーク調の装飾ガラスを組込み、引手金具には真鍮ハンドルを使用しています。

断熱ブラインド|ハニカムサーモスクリーン
リノベ工事の断熱改修では、外周部だけに限らず、天井も含めて内部の部屋に面する部分も断熱工事で断熱材が入っています。
そして、2階に通じる階段吹抜けにはその断熱区画を連続するために、水平に断熱ブラインド(ハニカムサーモスクリーン)を設置。
2階に上がる際にはハニカムサーモスクリーンを開けて昇降。

2階の部屋の使用頻度は殆どないので、通常時はこのように閉じた状態に。

ハニカムサーモスクリーンは一般的に窓の内側にブラインドの代わりに付けますが、今回は水平や傾斜面に付けられるトップライトタイプを使用。
冷暖房時には空調効率を補助する役目をしてくれます。
左官壁|ゼオライトエコナ塗り
壁の仕上げは左官壁のゼオライトエコナ塗り。刷毛引きの上、コテ押え。
テクスチャを付けないフラット仕上げもマットでよいのですが、これくらいの方が引き目で見ても左官の存在感が味わえてよいバランスです。

職人の手で造られた有機的な刷毛目も相まって、光の反射もやわらかく、よい陰影を造り出してくれています。

天井のシナ合板貼りとの相性も抜群です。
無垢フロア|ナラフローリング+オイル(キヌカ)仕上げ
床材が与える全体への影響は大きく、部屋の仕上がりイメージの方向性によって樹種を選びます。
今回は全体がミディアムブラウンの質感にまとめることを念頭に置きながら素材を選択。
床材にはナラ(オーク)材の無垢フローリングを採用。無塗装品のナラのフロアを貼り、キヌカのオイル仕上げ(オイルフィニッシュ)としています。

ナラはブラックウォールナットやチークほど濃すぎず、メープルやパイン、バーチほど明るすぎないミディアムブラウン。
木目もナラ独特の斑(ふ)があり、タモ(アッシュ)材などよりも木目が落ち着いています。
建築で神経を使うのが素材の選択と、それらを一つの建築空間としてどのようにまとめるか、仕立てていくか。
素材を選び、寸法を決め、仕上げをコントロールする。

現場でどう納めるか(=加工・組み立てるか)、ミクロ(細部)で考えそれがマクロ視点(ぱっと見の印象)でどう感じるか。
毎現場、毎現場で悩み思考しますが綺麗に仕上がるとそんな苦労もどこかに。
建築は大変ですが楽しい。。。
「東中野山の家リノベ」の過去記事は左のカテゴリー、もしくはこちらのリンクから連続でご覧いただけます。
<関連過去記事>
・2012.09.24 無垢フロアサンダー掛け&オイル仕上げ|最終仕上げ
・2012.09.18 ハニカムサーモスクリーン、ウッドブラインド、照明器具付け
・2012.09.14 MOKUサッシ(ウッドワン)初採用、製作建具吊り込み|建具工事
・2012.09.11 壁ゼオライトエコナ塗りとその効果|左官工事
・2012.09.10 天井シナ合板グロスクリアオイル仕上げ|オイルの特徴
・2012.09.05 造作キッチンができるまで|大工造作工事
インフォメーション
■□ 問合せ先 □■
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