「市野山の家」の基礎断熱工事と床下の配管工事の様子を紹介。
市野山の家の主暖房は、エアコンを床下に設置し、床下全体を暖める「床下エアコン暖房方式」です。
(床下暖房の詳細は過去記事「
床下エアコン暖房|高効率省エネ・省コスト暖房方式」を参照)
基礎断熱|断熱工事
床下暖房では、エアコンの温風を床下に入れるため、断熱ラインは基礎でとり基礎断熱とします。

断熱材には押出法ポリスチレンフォーム第3種65mmを使用し、基礎外周部の立ち上がりと水平部分に施工します。

そして、基礎外周部以外の中央部(基礎スラブ部分)は露出させ、基礎の熱容量の大きさを利用して床下暖房時の蓄熱層とします。
蓄熱容量を増やす意味では、断熱材はこのように基礎の内側に設置する“基礎内断熱“とするよりも、断熱材を基礎の外側(屋外側)に設置する”基礎外断熱“とした方が有利なのは明らか。
しかし、屋外側に断熱材を施工した場合、新潟ではシロアリによる蟻害(ぎがい)、蟻道(ぎどう)となる恐れがあるため、基礎の屋外側には断熱材を設置することは避けるべきです。防蟻剤入りの断熱材を使用するという選択肢もありますが、薬剤の効力は10年程度と聞きますので避けた方が無難でしょう。
シロアリは木材だけでなく、こうした断熱材を食い破り、中をコロニーのようにして進むため、シロアリ被害を避けるような配慮が2重3重と必要です。
お掃除ロボットに働いてもらうために|配管工事
床下暖房をする場合に皆さんが心配するのは床下の掃除の問題。実態的には3~5年程度に1度床下のほこりを取るために掃除するのがよいと思います。同時に床下の点検にもなります。
通常は床下点検口から床下に侵入し、床下を回って掃除していくのですが、これが中々億劫。ということで、床下の掃除を自動化する作戦でお掃除ロボットを使います。ルンバを代名詞とした自動掃除機はだいぶ価格がこなれてきましたので今や若奥様の中では話題の的(笑)そんなわけで、人の代わりにお掃除ロボットを床下に解き放つ計画です。
床下空間は、基礎立ち上りが必要な耐力壁の直下以外は立ち上がりのない一室空間。その床下にお掃除ロボットを走らせるのですが、普通に施工すると床下空間には邪魔者がいます。それが“給排水管“。
何もない普通の施工では給排水管は床下の土間の上に配管されますので、これではお掃除ロボットも思うように進めません。

そのため、配管関係は吊バンド金具を使って全て床上で吊り込んで配管下にもお掃除ロボットが通れるスペースを作ります。

床下空間にお掃除ロボットを解き放つ掃除作戦は、話には出しても完全対応でやるのは初の試み。うまくいくかはわかりませんが、地上での勇士(?)をみている限りはうまく掃除してくれそうです(祈
断熱補強とシロアリ対策
基礎は
立ち上がりとベースを一体打ちをしているので、基礎の打継ぎ部分が蟻道になる可能性はゼロ。ただし、外部から入れる給水、給湯、そして外に捨てる排水管は基礎を貫通します。
その貫通部分が蟻道になる可能性がありますので、そこには防蟻剤が入った防蟻ウレタンフォームを使います。

配管の中間部分はモルタルを詰めて、最後に手間の部分から防蟻ウレタンフォームを吹き込み、同時に配管周辺の断熱補強もします。

このスプレー式の防蟻ウレタンフォーム、たった1本で定価4万近くもします(大汗)高級品!(汗)
基礎周りで断熱補強が必要な場所が他にもあります。基礎断熱の立ち上がり部分と土台との間の隙間。
基礎と土台間は基礎の幅と土台の幅の差分だけ段差ができます。立ち上げる断熱材は基礎に沿って上がってくるので、そのままですと基礎の角が室内に露出し、そこが熱橋に。外気に冷やされた基礎が室内とつながり、断熱欠損、そして結露の原因ヵ所に。

その基礎と断熱材の隙間もウレタンスプレーを入れて断熱補強していきます。
ウレタンスプレーは発泡後に2~3倍に膨れますので少し少なめで押えておかないと翌日にお化けみたいに膨れ上がっています(笑)
床下の基礎断熱、吊り込みでの配管を済ませ、一旦床下は綺麗に掃除機をかけてから1階の床下地となる合板を敷き込み蓋をし完了となります。
関連過去記事
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2012.01.20 床下エアコン暖房|高効率省エネ・省コスト暖房方式・
2012.11.02 型枠組み~コンクリート打設(ベタ基礎一体打ち)動画付き|基礎工事・
2011.11.03 基礎工事|型枠組立て~コンクリート打設(ベタ基礎一体打ち)
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