YaMa_Home blog -新潟木の家 自然素材の注文住宅-

自然素材とテクノロジーを匠が活かす。心地よいデザインと高い断熱・構造性能を目指して・・・山口工務店

基礎の配筋検査|第三者機関よりも厳格な検査

「弁天橋通の家」では基礎の鉄筋組みが終わり、配筋検査をおこないました。

P1010354基礎_配筋検査

記事用に現場写真からピックアップしていたら14枚にもなっていた(汗)それでも大分端折りました。。。
という事で一気に解説!


木造住宅の基礎をきちんと作るには


基礎構造は配筋も含め構造計算(許容応力度計算)で決定しています。現場では構造計算に基づいた基礎図の通りに施工すればなんら問題ありません。
と、図面指示通りにいかないのが世の常(笑)。というよりも、人間はうっかりミスもしますし、図面に明示しきれない基本的な配筋ルール(基準)があるのでその辺は直接現場で指示します。

普通に考えると基礎を作る職人はその筋のプロなので黙っていても諸々の構造基準を満足するように作りそうですが、実はそうでないのも業界の常(汗笑)。

特に木造住宅の基礎となると請け負う業者は左官屋、左官職人。ゼネコン現場の大規模の鉄筋コンクリート造建築に入る職人とは全く職人としての源流が違うので、基礎を作ることはもちろんプロですが、エンジニア(技術者)として鉄筋コンクリート造の構造物を作るという面ではフォローが必要です。
というわけで、その辺りの品質維持は工務店の現場管理者の仕事です。


主要な配筋|配筋検査


まずは基礎の主要部分となる、外周部の立ち上がり配筋。

P1010340基礎_配筋検査

これは1パターンしかありませんので確認もシンプル。

そしてスラブ(基礎の床板、土間に当たる部分)の配筋。

P1010341基礎_配筋検査

スラブ配筋は場所により鉄筋のピッチ(間隔)が@300、@150、@100の3種類。
100ピッチのクロスはあまりないケースですが今回はスラブの一区画だけ100ピッチに。


地中梁|配筋検査


「弁天橋通の家」では床下にエアコン設置して冬場床下に温風を吹き込む「床下エアコン暖房方式」を採用します。
床下空間にムラなく暖気を回すために、基礎の立ち上がりを極力なくすように計画しています。(柱や耐力壁が載る土台下の基礎立ち上がりは必ず必要)

安直に立ち上がりを無くしては構造的にべた基礎が成立しません。ぱっと見は同じべた基礎に見えても工学的に成立しない“なんちゃってべた基礎”になります。←これが横行しているので困る。

基礎の構造区画の周囲で基礎の立ち上がりを省略する場合は“地中梁”として、完成すると表面には基礎梁は出てきませんがスラブ面より下で梁として機能する地中梁を作ります。

そんな地中梁は場所によって断面や鉄筋量が異なります。
今回、地中梁で一番大きな箇所はD19で上端筋4本、下端筋3本というこちらの梁。

R0032000基礎_配筋検査_地中梁配筋

木造の基礎の鉄筋で最も使われる径がD13ですからそれより2サイズ上。現場ではこの太さは曲げられませんのであらかじめ工場で曲げたものを持ち込み配筋しています。
これが日常な当社なのでD22が出てこないだけうまくできたかなと思います。あまり太い鉄筋を多用すると職人から嫌がられます(笑)

配筋検査では鉄筋の太さはもちろん、鉄筋相互の間隔やかぶり厚も設計通りかを確認。

また、地中梁の端部では定着も必要。定着長さは太さにより変わります。

R0032002基礎_配筋検査_地中梁定着長さ

写真の鉄筋D19では定尺長さは40d=40×19=「760mm」の定尺長さが必要です。
置いてるスケールからスケールアウトしていますが、太い場合は定着長さが長くなるのでその辺りにも注意。


主筋の定着なしで是正|配筋検査


目を凝らしてひとつひとつ見ていくと施工の落としが見つかります。

こちらの地中梁。主筋がD13の上端筋2本、下端筋2本の構成ですが、基礎梁の端部で4本中2本の定着がありません。

R0032018基礎_配筋検査_地中梁定着不備

写真赤線の部分で主筋が伸びて定着が取れていないといけません。
職人に指摘すると「あっ!」と(笑)

その場で即是正。主筋がD13だったので現場で曲げられるのでL字で添え筋を作ってそれを定着筋にします。

R0032023基礎_配筋検査_地中梁定着不備是正

地中梁は下なのでスラブ筋をよけながら地中梁のあばら筋に入れようとすると知恵の輪の逆パターンで難儀しました。

これで是正完了。

R0032024基礎_配筋検査_地中梁定着是正完了

写真ではわかりにくいですが、クリップが付いてる部分が主筋4本の定着部分。
手前から伸びてくる地中梁が端部で左右に折れながら定着が正しく取れています。


開口部の補強筋|配筋検査


基礎の構造方法を定めている建築基準法 告示第1347号では、開口部廻りの補強に該当する条文として
「換気口を設ける場合は、その周辺に径9mm以上の補強筋を配置すること。」
とあります。(これ以上の具体的な記述はありません)

下の写真では右から伸びてきた基礎の立ち上がりが中程で終わり、更に左に向かっては地中梁となる部分。赤×四角で描いてあるところが立ち上がりのない、いわば基礎開口部です。

R0032045基礎_配筋検査_開口部補強筋

先ほどの告示に従い開口部周囲には補強筋が必要ですので、写真でクリップが付いている補強筋を配置します。

ここでのポイントは、“基礎立上りの縦筋(あばら筋)と、開口部の補強筋は別物と考えるべき” ということ。

クリップ留めした補強筋のすぐ左には元々縦筋(あばら筋)がありますので、普通に見ると「縦筋があるから補強筋はいらないね」という判断になりそうですが、告示第1347号に従えば縦筋は縦筋(告示文面では「立上り部分の補強筋」)、開口部(換気口)の補強筋は開口部の補強筋として別で規定されていますので、それぞれ単独で設けるのが安全側の判断となります。
(これを徹底できている現場の割合がどれくらいあるのが疑問ですが・・・・)

今回のケースのように、告示での文言の“換気口”ではありませんが、基礎の立ち上がり部分が無くなる端部は開口部とみなして周辺に補強筋を配置するのが妥当な法文の準用です。

(財)住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書や、民間の第三者検査機関などの設計施工基準にも「例示」としてなんらなかの開口部廻りの補強方法が示されています。

そんなわけで補強筋がない箇所にはその場で追加を指示します。

R0032044基礎_配筋検査_開口部補強筋


その他|配筋検査


配筋検査の検査項目は無数にあります。

こちらは床スラブの鉄筋のかぶり厚確認。

R0032027基礎_配筋検査_コンクリートかぶり厚

ピンコロ(スペーサーブロック)を使ってかぶり厚を確保していきます。
このピンコロは正方形ではなく、向きによって別々のかぶり厚に対応できるようになっていますので、向きが違う場所を見つけたらその場で是正。


基礎の立ち上がりの主筋は、基本D13を上下1本ずつで足りますが、数か所基礎梁に曲げが大きくかかる箇所があり、そこにはこのようにもう一本補強筋が必要になります。

R0032032基礎_配筋検査_補強筋

クリップ留めしてある部分が2本目の主筋になる補強筋。

上の主筋と2本目の主筋との鉄筋の間隔、あきも太さにより規定があります。
D13では「鉄筋中心間の間隔が46mm以上、鉄筋同士の隙間(あき)が32mm以上」となっていますのでそれも確認。
うっかりすると2本の主筋が沿うように付いていたり、間隔が狭かったりするので注意します。


基礎のL字交差部も2方向からくる鉄筋をジョイントするように添え筋が必要。

R0032020基礎_配筋検査_L字交差部継手

添え筋はL字状に配置し、相互で定着長さ(D13では40d=40×13=「520mm」)を取るようにします。


基礎を貫通する配管スリーブ部分も注意。
このように予めスリーブ管を取付けてからコンクリートを打つわけですが、スリーブ管の周囲も補強が必要です。

P1010369基礎_スリーブ管補強筋

補強筋の形状、長さ、かぶり厚なども正しく確保できていることを確認します。
基礎本体の主筋と干渉したり、かぶり厚不足にならないことにも注意します。


配筋検査での主な指摘事項


配筋検査を終えて主な指摘事項、是正内容は以下。

・基礎梁の主筋定着なし箇所あり。
・補強筋の忘れ。
・コンクリートかぶり厚不足。

事前に十分に施工指示していたのと、当社の基礎の品質に慣れたいつもの基礎屋さんということもありこれくらいの指摘・是正内容であれば合格でしょう。

この後コンクリートを打設しますが、鉄筋はその後隠ぺいされてしまう工程ですので重点的に管理が必要です。
見えなくなるからいいだろうの意識は排除しなければなりません。


関連過去記事


2012.10.30 鉄筋組み立て~配筋検査とそのポイント|基礎工事
2011.11.01 基礎工事|鉄筋組み~配筋検査
2013.05.13 基礎立ち上がり縦筋(あばら筋)にフックは必要か?に回答




「弁天橋通の家」の過去記事は左のカテゴリー、もしくはこちらのリンクから連続でご覧いただけます。

インフォメーション


■□ 問合せ先 □■
自然素材を使ったシンプルで快適、心地いい家づくりを目指しています。
詳しくは下記のリンクからwebをご覧ください。

新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店

お問い合わせは弊社ウェブサイト、またはblog左のメールフォームからもどうぞ。

■□ Facebookはじめました □■
山口雅和 Facebook個人アカウント(Facebookアカウントが必要です)
山口工務店 Facebookページ(どなたでもご覧いただけます)
FBページでは、BlogやTwitterで書いた事に対する追記や番外情報なども書いてます。

■□ 直近web更新 □■
(1)2013.03.14 コンセプト>「安心」ページ内の省エネ標準スペックを引き上げ、周辺解説も追記
(2)2013.03.12 「イベント」ページを新規作成
(3)2013.03.06 「採用情報」を更新
会社バナー
ホームページをリニューアルしました。
当社の住宅に対するスタンス、設計コンセプトなどかみ砕いた説明をしています。
関連記事

0 Comments

Leave a comment