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夏の暑さをしのぐ建築的装備|日射遮蔽と排熱

これから本格的に始まる暑い夏。住宅として、建築として何ができるか?現在進行中の「弁天橋通の家」の現場を例にお話ししましょう。

・軒の出には意味がある
・太陽熱は効率よく排熱


どれも愚直で従来からある建築手法ですが、住宅地を見回すと「それではまずかろう」と言わざるを得ない住宅もちらほら。
”当たり前のことを当たり前にする”、何事も基本が大切です。

軒の出には意味がある


窓の断熱・遮熱性能にもよりますが、窓から入る熱の約65%は日射によるものです。
窓から入った日差しは室内で熱へと変わり、そのまま冷房負荷に繋がります。どれだけ壁や屋根の断熱材を厚くしても窓から入る日射熱対策を講じていなければ片手落ち。むしろ、躯体の断熱性を高めれば高めるほど、魔法瓶効果で室内の熱を外に逃がしにくくなるため、日射による室温の上昇は押さえなければいけません。

日射を遮蔽(シャヘイ=さえぎる)する最も有効な手だては、窓よりも外側で日差しを切る”簾(すだれ)”や”葦簀(よしず)”、”外付けブラインド”が有効です。これらが最も有効ですが、すだれも似合う家とデザイン上釣り合わない外観もある(笑)、外付けブラインドは優れものだが高級品(笑)。似合う・似合わないは半分冗談としても、これらは建築本体とは別の後付け装備と言えます。

前置きがなくなりましたが、そこで我々建築側として何ができるか?と言えば庇による”軒の出”が日射遮蔽のための装備として機能してくれます。

R0032231外観_大屋根軒の出

伝統的な日本家屋は軒が深い。それには訳がある。勿論年間雨量が多い日本で雨水から外壁や建物を守るという側面もあるが、その他に”日射遮蔽”という側面があります。
横道に反れるので理論は省略するものの、一定のバランスで軒の出を設ければ、年間の太陽高度と軒の出の関係から、夏は有効に日射を遮り、冬は陽を室内に取り込むという装置として機能してくれます。


庇による深い軒は、日射遮蔽以外にも建物に陰影を与え、外観にも美しく、室内からは深い軒に守られた落ち着きのある窓景観も得られます。
すだれは後付けできますが、軒の出は跡付けできません。室内の快適な温熱環境と風情のためにも備えておきたい建築装備です。


太陽熱は効率よく排熱


無用な熱は溜めずに捨てなければいけません。屋根面は断熱性能を高めつつ、もう一方で小屋裏換気の換気効率が重要となります。
小屋裏換気の方法はいくつもありますが、最も確実で換気効率が高い方法が”棟換気”。
棟換気は外壁下や軒先から外気を導入し、建物で最も高い棟(=屋根の最も高い部分)で抜くというもの。
小屋裏換気は機械力を使わない、温度差と空気の浮力を利用した自然換気方式。これはストーブと煙突の関係と同じく、高低差が大きい程換気効率が高くなりますので、一つの屋根面を考えた時には最も低い部分の軒先が入口で、最も高い部分の棟を出口にするのがベストな選択となります。

とはいえ、こうした機能的装備は意匠的には控え目で主張しない方がよいもの。既製品の軒裏換気口や有孔板(穴の開いた軒天材)では如何にもな存在感であるのと、意外と沢山取付けないと有効換気量が取れません。

そこで、当社では軒裏の先端でスリットを切るように軒先換気口を設けています。

R0032361軒先軒裏換気口_パンチングメタル

換気口部分にはパンチングメタルを取付けます。

こうすることで軒先の先端で一本線が通ったスッキリとした軒先になります。

R0032351軒先軒裏換気口_パンチングメタル

軒先換気口としても、軒先全長全てからムラなく外気が導入でき効率的。機能と意匠の両立も図れます。


そして、小屋裏換気の出口は屋根の頂部、棟です。

R0032370屋根棟換気

棟にそのまま換気口を付けてしまっては雨が入りますので、棟換気専用の換気部材「テッペンジェイベック社)」を棟の部分に仕込みます。(黒く見える部材が換気部材の「テッペン」)

R0032365屋根棟換気_ジェイベックテッペン

棟の全長に渡ってスリットを切り、軒先から上がってきた空気はここから外気へと抜けていきます。

R0032367屋根棟換気_ジェイベックテッペン

小屋裏換気は排熱以外にも、小屋裏に溜まった湿気を抜く効果もあり小屋裏結露の防止にもなり、建物の長寿命化に繋がります。

R0032315外観大屋根

軒の出による適切な日射遮蔽と、棟換気による効率良い排熱(小屋裏換気)。
当たり前のようなことですが、そんな当たり前を愚直でシンプルに装備する。

控え目な存在感、でも凄いやつ。どこか日本的でそれもいいかなと(笑)

関連過去記事


(軒、庇関連)
2012.12.15 庇と軒は雨をしのぎ、日射と対話する。軒先換気も名脇役。
2012.05.24 小庇で雨を切り、快適長持ち
2011.12.08 窓上には小庇|過ごしやすさと耐久性アップ
2010.08.06 窓の上には小庇
2010.07.20 開口は景色を切り取る
2009.05.25 庇の価値とは
2009.10.30 竣工写真アルバム - その2 -(1.8mの深いキャノピー解説含む)

(軒先換気関連)
2012.05.15 棟換気+軒先換気|小屋裏換気の理想形
2010.07.30 屋根材と小屋裏換気で熱と向き合う
2009.06.10 換気面戸の設置




「弁天橋通の家」の過去記事は左のカテゴリー、もしくはこちらのリンクから連続でご覧いただけます。

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