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APW330真空トリプル、APW430が建物断熱性能に与える影響の検討【速報】

先週、YKKから新しく高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」が発表されました。

DSC00994_YKKap_APW430_高性能トリプルガラス樹脂窓サッシ_見本
(YKK AP 高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」現物見本サンプル)

そこで、本記事執筆時点で得られている情報を元に、窓単品性能比較ではなく、実際の住宅に採用した場合、建物の断熱性能にどれだけ影響を与えるか、省エネに貢献するか計算で確かめてみました。
詳細は本文後半で解説しますが、時間のない方向けに結論を先に書くと、

「APW330真空トリプルからAPW430に替えても思ったほど建物の性能に影響がない!」

という結果に。

現時点では窓種別のU値(窓個別の断熱性能)は開示されておらず、代表的な窓のU値だけがわかっているという状況ですので、計算に使用した性能値は暫定概算値です。とはいえ、後日正確な値に置き換えてもそう大きく変わりはないと思われます。


背景:高性能樹脂窓(サッシ)APW330の登場と進化


近年の国内住宅用窓(サッシ)の進歩は素晴らしく、高性能サッシが各社から発売されるようになりました。世界基準でみればまだまだではありますが日本の窓もようやくこのレベルにという段階になりました。

サッシメーカーのYKKでは、数年前から新シリーズとして「APW330」という高性能樹脂サッシを発売しています。
[代表的窓の熱貫流率(U値[K値])=2.33W/m2・K(窓種により異なる)]

APW330は従来の樹脂サッシに見られたフレームが太くデザイン性に欠けるなどの欠点を解消し、意匠性は従来のアルミ樹脂複合サッシと同等、断熱性もアップ、そして価格面でも従来のアルミ樹脂サッシとほぼ同等の価格帯という3拍子揃った素晴らしいサッシを投入し、住宅用窓の高性能化、ひいては住宅性能のベースアップに貢献しています。当社では窓の標準仕様はこのAPW330です。

そして、APW330の発売から数年の2013年、新しくガラスをトリプルガラスとし、中空層の一層を真空層とした「APW330真空トリプルガラス」を発表。
[代表的窓の熱貫流率(U値[K値])=1.09W/m2K(窓種により異なる)]

APW330真空トリプルガラス_説明_断面
(画像出典:YKK AP APW330真空トリプルガラス

APW330真空トリプルの登場でU値が一気に1に近づきました。
詳細は割愛しますが、熱貫流率U値は熱の逃げる量を示した値です。よってU値が小さい窓ほど熱が逃げにくい(=断熱性が高い)窓という意味です。

当社でもAPW330真空トリプルは発売直後に採用し、新潟県第1号の施工例となりました。詳細は過去記事をどうぞ。

・2013.06.17 新潟採用第1号「APW330 真空トリプルガラス」|優位性は何か?


そして、この2014年2月末に出るぞと噂がある中、ついに今回の高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」が発表されました。
APW430の登場でついにU値=1以下の世界に踏み込むことになります。
[代表的窓の熱貫流率(U値[K値])=0.91W/m2K(窓種により異なる)]

APW430_説明_断面
(画像出典:YKK AP APW430ニュースリリース

従来のAPW330や真空トリプルと比較したAPW430の進化のポイントは、

・トリプルガラス : ガラスが3枚=ガラス断熱中空層が2層できる
・ダブルLow-E : ガラス2枚にそれぞれ特殊金属膜を設けて熱の反射率を高めている
・アルゴンガス封入 : ガラス中空部分に空気よりも断熱性が高いアルゴンガスを封入

と、細かな改良を除けば大よそこの3点に絞られます。

これにより、真空ガラスを採用したAPW330真空トリプルと比較し断熱性能を約20%アップ※1させることに成功しています。

※1:メーカーヒアリングに基づく性能値。現時点では窓種別、窓サイズ別の性能値が開示されていない。


APW330真空トリプル、APW430が建物断熱性能に与える影響の検討


それではここからが本題。冒頭部分で書いた「APW330真空トリプルからAPW430に替えても思ったほど建物の性能に影響がない!」という事実の検証結果を公開します。

<計算条件>
実物件を3例用意し(建物A、B、C)開口部仕様のみを変更した際の建物断熱性能に与える影響を検討する。
本記事作成時点ではAPW430の窓種別U値等、各種詳細データが開示されていないため、APW430のU値はメーカーヒアリングの結果を元に、一律APW330真空トリプルの80%(=20%性能がよい)と仮定する。

<計算結果>
建物開口部仕様
参考U値※1
(W/m2K)
Q値※2
(W/m2K)
Q値
削減率
開口部熱損失率
(開口部熱損失/全熱損失)
相当延床面積
A
APW330
真空トリプル
1.091.5597%15%
115.93m2
(35.00坪)
APW4300.911.51
B
APW330
真空トリプル
1.091.7598%16%
130.42m2
(39.46坪)
APW4300.911.71
C
APW330
真空トリプル
1.090.9695%28%
110.13m2
(33.32坪)
APW4300.910.91

※1 : たてすべり出し窓+FIX連窓 (16513サイズ)
※2 : Q値(熱損失係数)。建物全体(壁、床、天井、窓、換気)から逃げる熱の量。値が小さい程断熱性能が高い。

<考察>
開口部単体ではAPW430が20%性能が高いものの、建物全体での熱損失割合が限定的であり、結果冷暖房負荷に影響するQ値は2~5%アップに留まっている。
「アルミサッシ+単板ガラス」など元々断熱性能が悪い窓であればそこから逃げる熱の20%カットの影響が大きいが、本検討の開口部が高性能で熱損失が元々少ないためこのような結果になったと思われる。

コスト面では、APW330真空トリプルからAPW430への変更により窓価格が0~10%アップ程度と想定(地域や建物仕様により異なる)されていること。かつ、APW430は発売開始時点では窓種や枠のカラーバリエーション、アングルなし仕様のみという仕様の限定を踏まえると、APW430がAPW330真空トリプルと比較し大きな製品アドバンテージがあるとまでは言い難い。

近々APW430の性能詳細が全て開示される予定であり、今後はより正確な情報に基づき性能差、コスト優位性を再検討していきたい。

<窓の断熱性能(参考)>
窓の仕様
参考U値
(W/m2K)
アルミサッシ+単板ガラス6.51
アルミサッシ+ペアガラス4.65
アルミ樹脂複合サッシ+ペアガラス3.49
アルミ樹脂複合サッシ+ペアガラス(Low-E)2.91
YKK AP APW3302.33
YKK AP APW330真空トリプルガラス1.09
YKK AP APW4300.91


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