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自然素材とテクノロジーを匠が活かす。心地よいデザインと高い断熱・構造性能を目指して・・・山口工務店

エコキュート、エコウィル、エコジョーズを考える(1)

今回のエントリは文字だけ&長文です・・・(要覚悟)

オール電化というキーワードを筆頭に電力をエネルギー源とした「エコキュート」、電力会社をバックに急速に普及拡大しています。

それに対抗するかのようにガス会社ではガスをエネルギー源とした「エコウィル」、「エコジョーズ」の普及拡大に力を入れています。

巷では雑誌、ネットと各種機器のメリット、デメリットが乱立し何が正しく、何が最も自分(これからの住まい)にベストなものなのかが非常にわかりにくい状態になっています。これもまた情報過多な弊害でしょう。

各種機器の概要や特徴についてはネット検索で容易に収集することはできますが、得られた情報だけで公平に情報を精査して本当の意味でも”自分にあったもの”を選び出すことは容易なことではありません。


結論的にはエコキュートにしろエコウィル、エコジョーズにしろ一長一短で得意もあれば不得意もあり、そう簡単には損得判断はできません。

各メーカーでは当然良いところをPRしていますし、悪く言えば物事をある側面からでしかみていなかったり、特定の条件がそろわなければカタログにデカデカと書かれている効果が得られないようなものも見受けられます。(表現やアピールする仕方として間違いはないとは思いますが、家づくりを考えた上で損得を判断するには評価に偏りが出てきます。)

各種機器のエネルギー効率、イニシャルorランニングコストは、今はシミュレーションによってある程度精度よく算出することはできます。
(ただし、シミュレーションの前提となる数値を正確に用意するというのがポイントで、この部分を適当にしてしまうとまったく的外れな、さももっともらしい数字だけが並ぶ書類になってしまいます)

ここにも実は落とし穴があり、シミュレーションの結果を見るときに心得なければならないのは、「その結果はあくまでも決まった条件下での結果である」といこと。
つまり、仮にエコキュートのシミュレーションであっても、実際は家族の生活リズムというのは不規則なもので、またある一面ではまったく予測不可能な生活リズムをとる場合があります。
エコキュートのシミュレーションで考えた場合、生活者は決まったリズムでお湯を使い、決まったリズムで深夜にお湯を沸かす(貯湯タンクにお湯を貯める)というサイクルでシミュレーションする訳です。
逆を返せばシミュレーションではそうして計算する以外できないのです。

つまり、イレギュラー的に日中で貯湯タンクのお湯を使いきってしまい、昼間の高い電力(時間帯電灯契約なので)でエコキュートがお湯を沸かすような事まではシミュレーション結果に反映されていません。(これを精度よく予測することも不可能)


更には、エコキュート、エコウィル、エコジョーズの損得を公平に判断するには、日々のランニングコスト以外にも、各種補助金・割引制度も損得判断の一つになりますので、機器選びの際にはそうした補助金・割引制度を利用した際の金額も損得判断する上での土俵に上げてあげなくては、判断する上で不公平ですし、誤った物事の評価をしてしまいます。


そして更には(まだある!)、一頃に「我が家はエコキュート(orエコウィルorエコジョーズ)を使う」と言っても、どういう組み合わせで使うかという事もまた総合判断する上で重要なことです。

どういう組み合わせで使うかということをもう少し具体的に掘り下げると、例えばエコキュートであれば、

 (1) いわゆるオール電化として、ガスは一切使わず、調理器はIH(電化)+お風呂と炊事のお湯をエコキュートでまかなう
 (2) (1)+床暖房にもエコキュートのお湯を使う
 (3) オール電化にせず、調理器はガスにした(1)パターン
 (4) (3)+床暖房にもエコキュートのお湯を使う

これだけですでに4パターンも考えられます(他にも組み合わせがあるかもしれません)
更にはエコキュートの場合は最終損得の判断は”月々の電気代”ですので、上記以外に”どんな空調設備が入るか?”ということも評価上考慮してあげなければいけません。


ここまで読み進めてくれた方、読んだだけでもう大分気がめいってると思いますが(汗)うわっつらだけでなく、より真剣にコストの損得判断をしようとすると、この世界はものすごいディープで根気のいることであることが分かってもらえたと思います。

実は、上記以外にも各種機器本体及び工事費などもモノによって異なりますから、その設備償却もコスト評価してあげなくてはなりません。(まだあるのかという言葉が聞こえてきそうですが)


話の角度を少し変えて、”車を購入する場合”を考えてみると、車業界はいかに判りやすいかがよくわかります。
車は大きく分けてイニシャルコスト(車両本体価格)とランニングコスト(燃費)の二つを考慮して、各種メーカーの車を選んで行けますので損得判断は比較的シンプル。車の種類も数はありますが、これから書く住宅の場合の組み合わせの数から比べれば大した多さではありません。

住宅はというと、なかなかシンプル・・とはいかず、まずは車のように”規格品”ではなく一棟、一棟大きさから建物仕様(断熱性)、設備仕様(空調機器・給湯機器)が無限の組み合わせがあり、完全にカスタムメイドであるというのが、住まい手の損得判断を鈍らせ、最悪は誤った判断をしてしまいます。

家づくりを考えた時、建築意匠や使い勝手、構造、設備など様々な検討要素があり、今回の設備機器だけのことでもこれほど頭を悩ませる事柄があります。
家づくりを真剣に考えている方々に正しくアドバイスするには、最終的にはケースバイケースで暮らし方や設備の組み合わせをヒアリングし、ひとりひとりに違ったアドバイスが必要です。
こうしたブログという不特定多数の人に向けてピンポイントなアドバイスはできないのが正直なところですが、ひとつ言えるとすれば

 ”上辺だけ損得判断することがないようによく調べる、勉強する、それが出来なければ信頼できるアドバイザーを持つ”

ということです。



書くの疲れました・・多分、今日はこのブログ始まって以来の長文です(苦笑)
タイトルに(1)とついてるということは・・・・まだ続くということです(笑)

■関連エントリ
エコキュート、エコウィル、エコジョーズを考える(2)
エコキュート、エコウィル、エコジョーズを考える(3)
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2 Comments

sagami  

どもお疲れ様です。

長文お疲れ様です。 ^^
私もかつて調理はガス派でしたが、IHIHと奥様が支持するようになり、何を入れようと思っているかお聞きして素直に従うことにしました。だって時間がもったいないですもん。
個人的には薪ストーブのスローライフが理想ですが、実際に作る住宅はほぼ100%オール電化。 
生活の悦楽より 経済性と利便性には勝てないわけですが、ちょっと味気ない気もします。

2008/09/30 (Tue) 10:06 | EDIT | REPLY |   

masakazu  

sagamiさん

個人的には私も料理は絶対直火がいいです。
IHの電磁波がどうのこうのとか、火を知らないで育つのはよくないとか難しい話は抜きにして、フランべしてファイヤーするのが楽しいでしょ?(笑)

2008/09/30 (Tue) 17:08 | EDIT | REPLY |   

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