玄関ポーチ:独立柱の柱脚金物とディテール
先日の記事を書いたらお友達の真さんから「独立柱、柱脚部のアップがみたい~」とのリクエストがありましたのでアップを掲載。

通常、柱は土台や梁の上に乗ります。土台や梁に穴(ホゾ穴)を掘り、柱にも差し込み加工(ホゾ)をして土台や梁に柱を乗せ(差し込み)、最後は所定の金物で接合します。(参考ディテール→参考リンク)
一方、今回のように独立柱になると土台がありません。
このような場所では一般的には広く流通しているZマーク金物の中の柱脚金物(参考ディテール→参考リンク)を使ったり、他のポーチ柱用金物を使ったります。
ただしこういった一般的な柱脚金物は施工に少々難があったり、強い軸力(引抜力や圧縮力)を受ける場所には不向きです。
さらに(今回は関係ないですが)金物を露出する納まりにした場合は柱脚ディテールにスマートさが欠けます。
今回はポーチの独立柱には地震や台風による引抜力が生じる場所ではありませんが、上部からの屋根荷重と2階の積載荷重も掛かるので少し変わった金物を使いました。(黒いものがそれ)
ロの字状の箱型金物に鉄板が立ち上がった形体をしている金物で、柱に鉄板を挿入してドリフトピンで接合しています。
通常はいわゆる金物工法につかうような専用金物です。
これで基礎から立ち上がったアンカーボルトを介して基礎と柱を直接接合します。
こういうディテールの場合、基礎に埋め込んだアンカーボルトの位置精度が非常にシビアなのですが、この金物には少し工夫がされていて施工も簡単。
金物の品質も明らかなので、今回のように比較的大きな圧縮力を受ける部分にも安心して使えます。
「旭町の家」のこの柱位置には大きな引抜力は掛かりませんが、この金物の性能的には短期許容耐力32kN(規定の基礎仕様・アンカー品質・柱仕様で施工されることが前提)もありますので安心!・・・と言っても一般の方には伝わりませんね(苦笑)
(ザ・翻訳!↓)
・・・32kNは単位変換すると約3t(トン)→水は1tで1000リットル→3t=3000リットル→一般ドラム缶は200リットルなので→水満タンのドラム缶15個分相当となります。(わかりやすい?(汗))
アカデミックな話は抜きにすると、「地震や台風の際、柱1本に水満タンのドラム缶15個分相当の引張力が柱に掛かるまではOKですよ」ということになります。
・・・・工学的な話をわかりやすく話すのは、難しい話をもっともらしく書くより大変です。。。一般向けのブログ記事の内容として伝わったかどうか不安です(苦笑) <私信>
真さんへ>真さんには写真一枚でOKの話でしたね。細かい話があればこのブログ左のメールフォームからメルアド入りで質問でも下さい。個別にお話しましょう(笑)
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